投資物件、収益用物件、もしくは賃貸物件でも。
最近「レジデンス」という名前をよく見るようになりましたよね。
ただ…少し前まで、あまり見たことがなかったと思いませんか?
「タワーマンション」や「高級物件」の名前に多いイメージがありますが、
実際にどんな物件が「レジデンス」と呼ばれるのでしょうか?
果たして投資に向いている物件なのか、避けた方が良いのか…?
投資する上で情報は何よりも大事ですから、もしも傾向があるなら知っておきたいところ。
ということで、
今回はこの「レジデンス」を軸に「物件の種類と名称」について調べました。
・それぞれの物件の定義とは?
・不動産の歴史とイメージ戦略
・企業ごとの定義が存在することも
・“Plaire Deuxq”
かつての「青山アパートメント(同潤会青山アパート)」は、現在表参道ヒルズとして親しまれている。
今回の調査結果からお伝えすると…
レジデンス = 高級なマンション
という意味合いで使われることが多いと分かりました。
ですが、法的な定義は(まだ)ありません。
しかも「マンション」や「アパート」にも明確な定義は存在しないことが分かりました。
現在、法的に定義が存在するのは「共同住宅」「長屋住宅」「一戸建て住宅」の3種のみ。
他の建物・物件の種類にはっきりとした区別・定義はありません。
(※「共同住宅」=“1つの建物に独立した2世帯以上が暮らす家”のこと。「集合住宅」の正式名称。)
次に、この言葉の意味を調べてみます。
マンション:(英)mansion 意味…大邸宅、館
レジデンス:(英)residence 意味…(特に大きく、立派な)住宅、邸宅
どちらも元の言葉は英語。
そして、どちらにも「集合住宅」「共同住宅」の意味はありません。
戸建てか、集合住宅かは関係なく使われます。
そして、両方の言葉に共通しているのが“高級感”。
いわゆる“豪邸”を意味して使われる言葉です。
イギリスでは各市長の私邸を「マンションハウス(mansion house)」と呼ぶほどだそうです。
では、現在の日本ではどうでしょう?
特に“高級感”を意味して使われるのは「レジデンス」のイメージがありますが…
「マンション」とは何が違うのでしょう?
実はこの2つの言葉が出てきた背景には不動産業界が仕掛けた“イメージ戦略”がありました。
現在の宮益坂。宮益坂アパートメントは「宮益坂ビルディング」と改称。建て替えられ、2020年に新たなビル(中央左奥)が竣工した。
日本で「マンション」という言葉が使われ始めたのは1960年頃。
戦後の飛躍的な高度経済成長期真っただ中のことです。
それまでは“集合住宅”と言えば「長屋」もしくは「アパート」が普通。
ですが、国が活気づき成長すると共に、高級感やサービスの充実を売りにした新しいタイプの集合住宅が次々登場します。
例えば、1953年。
日本初の分譲マンションと言われている「宮益坂アパートメント」が完成します。
高層階の魅力、間取りや造りの新しさはもちろん、各階に郵便ポストとゴミ捨て場が設置されるなど充実した居住環境が特徴で、現在の価値で言う「億ション」級の価格で売り出されました。
これが新しいタイプの集合住宅の先駆けとなり、不動産業界に新しい大きな波が到来したのです。
驚くことに、現在の区分マンション投資、収益物件の運用も支える通称“マンションの憲法”「区分所有法」が制定されたのは、わずか9年後1962年のこと。
まさに高度経済成長期。
当時、業界に巻き起こった変化とその速さは相当なものだったはずです。
これまでとは一線を画す物件の登場と、変わりゆく人々の価値観…
不動産業界には、新しい売り出し方、新しいイメージ戦略が求められました。
従来の物件と差別化しつつ、高級感をアピールする、分かりやすい方法…
そこで登場したのが「マンション」という新名称でした。
当時の不動産業界人たちは“名称”から変えることを思いついたのです。
それから数年で「マンション」は誰もが知る一般的な言葉になったのですから、この戦略は大成功したと言えるでしょう。
ただ、現代では既に「マンション」という言葉は一般的になり高級感のアピールは難しいのが事実。
そこで、新しく現代の業界人たちが生み出した新名称が「レジデンス」です。
今、さらに高級なイメージの物件の名前で使われています。
つまり「マンション」も「レジデンス」も、
時代の移り変わりによって求められたイメージ戦略によって出てきた新しい名称。
物件の規格の違いやルールを示すために広まった言葉ではないことから、
今も建物としての定義付けはなく、イメージの違いを示す言葉に留まっているのですね。
また、昨今。
不動産業界では「レジデンス」が建物名ではなく、“形容詞”や“例え言葉”として使われることもあるそう。
「レジデンスのある人」とは、高級マンションを所有できるような富裕層を指し、
「レジデンスが高い」とは、居住性が高く住みやすい、などの意味で使われる場面が多いそうです。
「レジデンス」という言葉が「高級感」と強く結びついていると分かります。
実際に「レジデンス」の名が冠されている物件の例。その多様さからも明確な基準は存在しないことが窺える。
ここまでの解説の通り、建物・物件の種類とその名称には明確な定義がほぼ存在しません。
ですが、企業や個人によってそれぞれ定義付けされている場合もあります。
こちらは日本全国の分譲マンション戸数を発表している国土交通省のデータ。
「ここでいうマンションとは、中高層(3階)・分譲・共同建で、鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄骨造の住宅をいう。」
とあります。
このデータ上での「マンション」の定義が明記されているわけですね。
数字で示すデータが必要な場合などは、あらかじめ定義付けをして調査する必要がありますし、
いくつかの賃貸物件紹介会社も検索条件設定のために独自の定義を示している企業があります。
検索やデータ取得の際には、先に確認してみると分かりやすいかもしれません。
また、一般的なイメージでは、
「アパート」は2~3階建て、また、木造の集合住宅。
「マンション」は3階建て以上の鉄筋・鉄骨・コンクリート造りの集合住宅。
さらに、
一般的な「マンション」よりも高層で、コンシェルジュサービスなどが付随する集合住宅を「レジデンス」や「タワーマンション」などと呼ぶケースが多いです。
参考にしてみてくださいね。
弊社木下不動産がご提供している物件「プレール」シリーズの“名称”にも、もちろん大切な意味があります。
「プレール(plaire)」はフランス語で「好む」や「お気に入り」を意味します。
たくさんの時間を過ごしていただく「住まい」。
投資物件としてご購入いただくオーナー様、住まわれる皆様の「お気に入り」の時間を大切に過ごせる場所になりますように、という想いを込めた名前です。
「プレール」シリーズの中でも多くの方に知っていただいている「プレール・ドゥーク」は、
「プレール(plaire(仏):お気に入り)」と、
「debride(仏):自由にする」「expansif(仏):開放的な、気さくな」の2つの言葉を重ねた造語である「deuxq(ドゥーク)」を合わせた名前です。
「プレール・ドゥーク」の多くは1人暮らしの方を想定した「1K」や「1LDK」の間取り。
“自由で自然体に過ごせるお気に入りの暮らしを叶えていただく”という願いを込めて、アイコンにも翼のモチーフを採用しています。
それぞれに個性や特徴のある物件。
名前を知ることでイメージを掴みつつ、コンセプトやモチーフを知るきっかけにもなるかもしれません。
また、私たち木下不動産は自社物件だけではなく売買仲介業務も行っています。
今回ご紹介した「レジデンス」という名称にふさわしい注目物件も数多く取り扱っています。
ぜひ、気軽にお問合せくださいね。